第43章 パチンコ警察24時? トド松side
長男の名前を出した途端姉さんが首を捻る。
そうだよね、だってあのクソ長男相手だしそうなるよね。
プレーンな長男ってどこ褒めていいの?って悩んでるんだね姉さん。
「おそ松は、我儘でだらしなくて、すぐ触ろうとかしてきたりするけど甘え上手だよね? 私も甘えられるのは好きだからそういう所は嬉しい・・・かな? いつもあんなに喧嘩になっちゃうけど、なんだかんだ言って頼りになるし、可愛いかと問われると・・・場面による! でも好きだよ?」
好き という言葉を聞くと僕の鼓動がズクリと強く鳴った気がした。
他の皆は可愛いって言ってるのになんでおそ松兄さんだけ好きって言ってるのって思って。
「姉さんさ、もしかしておそ松兄さんの事好き・・・とかじゃないよね?」
「え、だからそういう好きじゃなくて弟としての・・・」
そう出された言葉にぼくは凄く安堵してホっと溜息を漏らす。
でも姉さんの中の順番はわからないまま、気まずいけど思い切って自分自身も聞いてみた。
「ナス子姉、ぼくは?」
「え?さっき末っ子は可愛いものだって言ったでしょー?」
「そうじゃなくて、もっとないの??」
気づいたらぼくは、前に酒で酔っ払った時みたいにナス子姉の身体を両手の中に閉じ込めて壁に手をつくと、膝立ちの状態で見つめていた。
「え、もっと?? ってか近くない?! わざわざこの体勢しなくったって逃げないしちゃんと言うって・・・」
言ったナス子姉は顔を赤くしてぼくからの視線を逸らす。
僕はその表情と仕草が何故かまた可愛くて堪らなくなってじっと見つめていた。
「あの・・・トド松、退いてよ? それと・・・あんまり凝視されるとこっちも喋りずらいと言うか・・・あの時の事思い出すというか・・・ですね」
あの時と言うのは、ぼくが旅行で兄さん達に見せつけるようにキスした時だろう。
全く恋愛感情なんてないのに、無理やり濃いキスをして、自分を優位に立たせようと必死だった。