第43章 パチンコ警察24時? トド松side
「見える見える、残念な腹が見えちゃうよ姉さん」
「うっさいわ、何でこんなに走らされた訳?」
「ほら、前に話した事あったでしょ、ぼくがパチンコで勝った時に兄さん達に秘密にしようとしたら死中引きずり廻しの刑になったって!」
あぁ、あの時の事思い出しただけでもまた身震いするんだけど!
僕があの時の事を思い出しいて頭をかかえて膝に顔を埋めると、ふいに被っていた帽子を外されて頭に手がのった。
「大丈夫だよトド松、今回は私もいるし! パチンコだって二人の勝利でしょー?! アイツらもさすがに私にそんな事はしないと思うし、ちゃんと話せばトド松の事もわかってくれるってぇ」
僕の頭を優しく撫でる姉さんが、僕に近づいて顔を伺うように自分の顔も斜めに倒した。
正直な話、その仕草がちょっと可愛いなって思ってしまった自分が悔しい。
そんな僕の想いを余所に姉さんは話続ける。
「全く、アイツらも酷いよね! 大事な末っ子にそんな事するなんてさぁ、末っ子ってもっと可愛いと思わない?私はトド松の事めっちゃ可愛いと思うんだけどっ」
「え、そ、そう??」
いつも口も悪くて態度のデカい姉さんが僕を励まそうとしてる?!
どうした姉さん、もしかし僕そんなに悲壮感出してる?!
「うん、弟は皆可愛いけどさ・・・やっぱちょっと違うよね三男まではだいたいクソ生意気なんだけど四男辺りからちょっと可愛く見えてくるって言うのかな?? まぁ、カラ松は優しいけどさたまに暴走するだけで・・・」
「一松兄さんから可愛いの?」
ああ、なんかヤダな・・・モヤっとする。
兄弟のランキングの上位がぼくじゃないのか・・・。
一番可愛いのはぼくでありたいんだけど、姉さんは違うんだね。