第43章 パチンコ警察24時? トド松side
二人でがむしゃらに走って適当な建物の裏に隠れ込む。
いくらジム通ってるって言ってももう体力の限界・・・・・・。
足痛いし息が切れるし、って思って手を繋いだままのナス子姉をみると顔を白くさせてぼく以上に肩を上下させていた。
床にヘタリ込み、凄く辛そうに息を吐いている。
「・・・はっ・・・はぁ・・・は・・・ト・・・はぁ・・・・・・・」
いかにもぼくに何か言いたそうだけど、まだ息が整わないようで苦しそうな表情をぼくに浮かべた。
何故かその表情が少し色っぽく見えてしまったのは、この状況と建物から 薄く照らされる明かりのせいだろうと思う。
「だ、大丈夫ナス子姉?ごめん、ぼくが適当に走ったせいで疲れたよね?」
「・・・はぁ・・・はっ・・・はぁ・・・・・・し、死ぬ・・・」
それだけ言ってぼくの手を離して地面にへたり込んだ。
姉さん、ここ外だよ?しかもコンクリの上だよ・・・・・・?
やっぱり女子力とかないよね、皆無だよね。
「暫くここにいれば安全・・・だと思うからもう少し休憩しよう?」
「う・・・ん・・・・・・ぜー・・・はー・・・・・・」
兄さん達はナス子姉のどこが好きなんだろう?
ぼくが姉さんを可愛いと思う事があるって前に言ったのは、身内の欲目もあるだろうし、いや、でもちゃんとしたら可愛いと思うのは本当だけど。
でも他に可愛い子なんてい━━━━っぱい山ほどいる訳だし。
ましてやチンパンジーにカピバラだよ??
そんな姉さんをどうして?
幼馴染や姉として好きならそれは僕だって一緒なんだけどね。
「はー・・・・・・つっかれたぁーやっと喋れるぅ」
「息ととのった?」
「うん、なんとか・・・」
姉さんは起き上って壁にもたれかかるように座ると汗をかいたのか自分の服の裾をパタパタさせた。