第42章 【微エロ?】ドリームライジング チョロ松side
外も暗くなってきて、ナス子が立ち上がるとカーテンを閉める。
やっと立ち上がったナス子の後ろ姿を僕もなんとなく見ていた。
「チョロ松そろそろお腹空いない?簡単なものしかないけど作ろうか」
「え、お前料理なんて出来たっけ?」
「失礼だな、これでも一人暮らし始めて随分経つんだよ?それくらいクックパッ〇見れば出来ます~」
「何か見ないと出来ないのかよ!ナス子の場合は分量とか適当だしクックパッ〇見た方がまぁ、確実に美味しいの出来るとは思うけど?」
「一言余計だシコスキー!!言い返せないから暴力で訴えるぞ!?」
「ん~?俺に今何か頼み事をしているのはどこの誰だったかなぁ?いいんだよぉ、いつ家に帰ってもさー」
「わぁぁぁああ、ごめん、ごめんなさいチョロ松様!最高に美味しい料理をお作りさせて頂きますっ・・・うぅ」
顔が心底悔しそうではあるが、態度は宜しい。
仕方ない、許してやるか。
困った人を助けるが一般の常識人だからね。
僕はまたナス子のノートに目を走らせながらキッチンに立つ後ろ姿を見る。
・・・・・・包丁の持ち方違う。
野菜の切り方も危ない、あれ絶対手ぇ切るだろ。
あああ、ピーラーの使い方すらなんでそう指が怪我するような感じで持つわけ?
それと量測る時は測りを使えよ、結局適当になってない?
もうノートどころじゃなくなった僕は一度ノートに栞を挟んで立ちあがる。
「貸して」
「え?」
「包丁、そんな持ち方じゃ手ぇ切るからこれは僕がやる」
「でも、手伝ってくれてるチョロ松にここまでやらせるのは悪いかと・・・」
ナス子は心底申し訳なさそうに僕を見るけど、寧ろこっちが落ち着かない。
出来上がった料理が血の海になるくらいなら僕がやった方がまだマシでしょ。
「今更じゃない?なんだかんだ言って僕にいつも図々しい頼み事してくる訳だしこれくらい大した事ないって」
「ず・・・図々しいって言わないでもらえますか、図星すぎて玉ねぎ目にしみて泣きそうなんですけど」
さっきまで玉ねぎを切ってたナス子は既に泣いている。
ちなみにこれは嘘泣きだ。
玉ねぎ泣きってやつ。