第5章 平穏な日々に嵐はやってくる~十四松
そんなことを考えていると、今までは聞こえていなかった規則正しい川の流れる音と、サワサワと揺れる草の音が耳に心地よく流れてくる。
十四松の心臓の音もする。
人の心臓の音って、なんだか安心するなぁ。
・・・もういいや、私も寝ちゃおう・・・
決意すると、不思議なものでなんの抵抗もなく私は深い眠りへと誘われてしまった。
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「姉さん? ナス子姉さん! そろそろ腕がギブギブーー!!」
「・・・・・・・・・・・・んぇ?」
「おはよう姉さん!ぼく腕の感覚がまったくナッスィング!」
結構な時間寝ちゃったらしい。
十四松が私の下にある手をにぎにぎしている。
「ごめん十四松、スッカリ寝ちゃったみたい・・・」
寝ていた間にヨダレ垂らしてなかったかな?
ていうかもしかして私寝顔見られてね?!またこのパターンかぃ!!!
松野家ブラザーズの何人に寝顔を見られるハメになるのだっ
昔はお泊りとかもザラだったし恥ずかしがるような間柄ではないんだけどねぇ。
「そうだ、姉さん何の夢見てたの?」
夢?言われて首を傾げる。もしかして私無意識に変な寝言とか言った?!
ヤバイ、私の趣味的な変な事言ってたらかなりヤバイっ
「なんかねー、スラ松がどーのこーの言ってたよー!」
またあの夢かぁあああああああああああああぁ!もう同じパターン繰り返しだろっ
どうせ見るなら覚えてる夢でアイツらスライム倒したかった!
「?」
私が頭を抱えて蹲ると十四松は笑ったままキョトーンとする。