第5章 平穏な日々に嵐はやってくる~十四松
「いい夢見れた?」
「う、うん! 十四松のおかげですっげー、いい夢見れたよ!! ありがとう」
ここは十四松の好意を台無しにしてはいけないと思い、笑顔で返す。
「あ、腕まだ痺れてる? 感覚は??」
手を伸ばし先ほどまで私の頭を乗せてくれていた腕を持ち上げる。
「もうダイジョーブ!! 俺スッゲー元気っ、ほら見てみて~」
そういうといつもの触手を私に披露して見せてくれる。
あぁ、元気もらえるなぁ、と和ませられると足元でミケ子がミャ~と鳴いた。
そろそろ皆の所に持ってかないと遅くなっちゃうよね。
「ほんと、ありがとうね十四松! 私もスッゲー元気になった♪」
「どういたしまして!」
また二人で顔を合わせ笑いあうと地面においていたケンダッキーの袋を持ち上げまた重みを感じたが先ほどの睡眠効果もあって疲れてはいない。
もう片方の手でミケ子を抱き上げ立ち上がった。
「さ、帰ろう。十四松!」
「あいっ!」
「あ、姉さんぼくケンダッキー持つよ!!」
「十四松、ヨダレがまた出てるよ・・・」
うーむ、この調子じゃ歩いてる間にまた食べられてしまいそうだな・・・。
そうだ、こうしよう!
「じゃぁ、袋の持ちて片方持ってもらおうかな」
「あいあいーっ! おやすい御用っす!」
そして私達は松野家へと二人と一匹で仲良く向かうのであった。