第5章 平穏な日々に嵐はやってくる~十四松
「あれ、ミケ子がボクのところに来ようとしてるよ~?」
「え?あ、ホントだ」
ちょこっと顔を上げると、十四松の体の上によじよじと上り、じ~っと顔を見つめ、ぺろぺろと十四松の口を舐めるミケ子の姿が。
「わ~~~こんなちっせーのにちゃんと舌ざらざらするぅ!」
「あーそっか、十四松の口からチキンのいい匂いがするからだよ~ふふ、モテモテでんな~十四松兄さん」
「ホンマでんなぁ~こないにモテてどないしよー」
「一松に殺されないといいでんな~」
さっきまでの恥ずかしさは何処へいってしまったのか。
うん、やっぱり十四松は十四松だ。
弟にうで枕してもらうことだって、あるよね。きっと。多分。恐らく。
「えっ、この子一松兄さんの恋人なのー?!」
「恋人・・・? それはどうかな・・・家族・・・うーん、大事な存在には変わりないかな」
自分のことを話されているとわかるのか、ミケ子はみゃ~と小さく鳴き声をあげるとくしくしと顔をこする。
ああ、なんて可愛いんだ・・・殺傷力高いよ・・・
「可愛いね、にゃんこ」
「でしょでしょ~、もう私もメロメロで、すっかりこの子の虜だよ・・・!」
「じゃあ一松兄さんとナス子姉は、この子を巡るライバルだ・・・ね・・・」
「うんうん、そうかも~・・・って、アレ? 十四松?」
寝てるーーーーーーーーー!!ええええええ、嘘でしょ?!急にぃ?!
てかミケ子も十四松の体の上で寝ちゃってるしっ!いやミケ子はわかるけど十四松寝付くの早くない?!
眠たそうにしてる気配もなかったよね?眠たそうだったの私なんだけど?!
「・・・運動して汗かいて、おやつ食べて、寝るとか・・・最高じゃn、じゃなくて!」
子供か!!!
でもどうしてだろう、十四松だとあまり違和感がないというかなんというか・・・
まぁ・・・・十四松は十四松というジャンルだからね・・・仕方ないね・・・