第40章 【微エロ】クソ松の暴走 カラ松side
恐らく今は違う。
ミケ子に会いたいのももちろん嘘ではないだろう。
だが・・・本命が入れ替わっている。
「カラ松?なに?人の顔じっと見て・・・なんかついてる?」
「あ、い、いや、スマン」
「?変なカラ松。あ、そうだ、ねぇカラ松、今日は昼食も私が用意するから、二人で食べようよ」
「え?あ、ああ・・・」
「といっても、簡単なパスタなんだけどねっ。丁度良い時間だし、用意するからちょっと待っててね、続きは午後~」
まだ中身の残っていた俺のコーヒーカップだけを残し、コタツの上を片付けながらキッチンに向かうナス子の後姿を見送り、俺はカップに手をつける。
一松は、ナス子のことが好き。
それはわかった。
だが、そうなると・・・
キッチンに立ち、エプロンをかけるナス子の姿を横目に、俺は自分の心に罪悪感が芽生えたのを自覚する。
今日のナス子は、何故かわからないが、俺にとてもよくしてくれる・・・尽くしてくれる・・・優しい・・・。
こんなことは今までなかった・・・一度も、そう、一度もだ。
何故急に俺にこんな態度を取るのか・・・
導き出される答えは一つ。
そう!!
ナス子は━━━━━━━━━━・・・
俺のことが好きだったのか━━━━━━━━━!!!
愛するブラザーの愛する人が判明した日に、ブラザーの愛する人は、まさか俺を好きになっていたとは・・・!!!
なんという巡り合わせ・・・なんという事態・・・
今時三流小説でもこんな展開はありえないぜぇ・・・?
だが、思い起こせばナス子が俺のことを好きになるor好きになっていく過程は十分にあったと言えるだろう。
最近、ここの家事は俺がほとんどやっているし、この間の旅行中も、ナス子の前で俺はずっと格好良かった・・・
惚れる。
これではナス子が俺に惚れても仕方がないっ・・・というか、惚れるしかないっ・・・
なんということだ・・・なんという・・・・っ!
俺という男はなんて罪な男なんだっ・・・
すまない一松・・・!魅力溢れる・・・溢れる魅力を抑えられないこの無力な兄を・・・・っ許してくれ・・・!