第39章 たまにはご奉仕 一松side
「うーん、でもちょっと熱いような?熱くないような?体温計もってくるか」
だから赤いのも熱いのも全部お前のせいなんだよ。
そんな事言える訳ないし言いたくもないけどなー!
ていうかさ、距離が近いんだよっ。
ほんと無防備だし危機感がないしキスだって無理やりしてやったのになんの警戒もないし・・・ムカつくんだけど?
「いらないよ、体温計なんて。熱なんてないから、お前の気のせいでしょ」
「そっかなぁ?まぁ体調悪くないならいいんだけどさー」
俺が無理やりナス子の手を退かすと、まだこいつは心配そうに俺を見てくる。
そんな表情されるのが本当にキツイって言ってるんだけどね。
やめてもらえませんかね?
俺になんて興味のないヤツが、俺の事心配してるような素振り見せてくるのなんてさ。
「あ!もしかして旅行の疲れが溜まってるんじゃない?」
「はぁ?」
何素っ頓狂な事言ってる訳この人、旅行の疲れ?
実際にないとは言えないけど楽しかった訳だし特に考えてもなかったんだけど・・・。
「そうだ、いい事を思いついたぞお姉ちゃんは!!フフリ」
「その表情、どう見てもいい事を思いついた人の表情には見えないんですけど」
「いい事だよ!!一松にもマッサージしてあげるよ!ていうかずっと気になってたんだけどさぁ、六つ子のコリってそれぞれ違うのか一緒なのか触ってみたかったんだよね~はははは」
両手をワキワキさせて俺に近づいてくる。
マッサージされるのは嫌いじゃないからいいけど、アイツらと比べられるっていうのだけはやっぱムカツク。 言わないけどさ。
「別にどうしてもって言うならさせてやってもいいけど?」
「はい!したいです」
「一松様」
「はい!したいです一松様!!」
・・・・・・悪くない反応。
したいとか言われると違う事想像しちゃうのはしょうがないよね、童貞だし。