第39章 たまにはご奉仕 一松side
「スペアキーは・・・あのままおそ松兄さんが持ってる」
「はぁああ?!あいつに奪われたままって事ー?!くっ、あんにゃろう、この前ウチに来た時そんな事ひとっことも言わなかった癖に!!あー、ムカツク、相変わらずムカツク!!」
俺はミケ子を抱いたまま、ナス子とコタツに入る。
「おそ松兄さんこっち来たの?」
「うん、前にマッサージの約束してたからそれを受けにね。旅行終わった次の日に運転手への労いも兼ねてって事で!」
「へぇ~~~~・・・・・・」
それあんまり聞きたくはなかったけど、正直俺の中ではあのクソ長男が一番怪しいと思ってる。
多分自覚なしにナス子の事好きだろうってね・・・。
自覚した所で二人がどうなるとかはわからないけど、おそ松兄さんは手が早いし、いくらナス子が男性不信だとしてもどういう手で迫っていくかわかったもんじゃない。
大事にしてるのはわかるけど、やってる事いつも小学生だよね、アイツ・・・。
「お茶入れたよ、どーぞ」
「ん、どーも」
あと怪しいのは誰だろうな・・・、っていうか考えてみると全員怪しいには怪しいよね。
あの旅行の時の様子も見てるし、結局コイツは全員にキスされてる訳だしさ。
そう思ってたら何故か急にナス子の裸体を思い出した。
途端俺はコイツと目を合わせるのが嫌になってミケ子を撫で始める。
好きなヤツと一緒に裸で風呂とかマズイよね、きっかけっていうか問題を起こしたのはあの馬鹿長男な訳だけど・・・。
あの時俺とトド松が乱入してなかったらどうなってた事か。
「ん?一松今日ちょっと顔赤くない?風邪でも引いたんじゃないの?」
「は?・・・別に普通だけど・・・・・・」
「そう?体ダルくない?大丈夫??」
「ダルくないし赤いのも気のせいだから大丈夫、放っておいていいよ俺なんか」
ああ、また自嘲気味になったかな・・・。
でも本当に俺なんかに構ってたって面白くないでしょ。
下を向いてミケ子と戯れていたら急にナス子の手が伸びてきた。
ビックリして体が跳ねたけど、そのままナス子の手の平は俺のデコに押し当てられる。