第37章 危険な香りの温泉旅行 本日最終日
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一騒動、二騒動が終えると、床には6人の屍が転がっていた。
ナス子が心底スッキリした顔をし、キラリと汗を光らせている。
何があったかはご想像願おう。
とにかくナス子はスッキリしたのだ。
屍に背を向け茶を啜り、ホっと一息ついた後、部屋の中で荷物をまとめ始める。
やっと目を覚ました松達も口々に文句を言うが、時間もないので自分達も荷物を纏め始めた。
またも心底嫌がるナス子にトド松が普通に化粧を施す。
機嫌拗ね拗ねのナス子がブツクサと文句を垂れつつも、六つ子が先程の件もあり、可愛いだの綺麗だのと冗談でおだててきた為、機嫌を直してチェックアウトへと向かった。
「いや~、あっという間だったな!3泊4日もさぁ!!」
「来てみると一瞬で終わっちゃう感じだよね。また来たいね、皆で」
おそ松とチョロ松が並び各々楽しそうに笑いながら感想を述べている。
その後ろでナス子は肩を落とし項垂れていた。
「私のグータラ予定の4日間が・・・消えていった・・・」
「また言ってるね!姉さんいつもグータラしてるし家にいても一緒でしょぉ?」
ナス子と隣に歩く十四松は辛辣な言葉をナス子にかけながらブンブン腕を振って楽しそうである。
一方のナス子は頬を膨らませぶー垂れ顔だ。
本当はこの旅館にいる間は何もせずゴロゴロしてゲームして寝て、温泉に浸かって、またゴロゴロして・・・をずっと楽しむ予定だったハズだが、思い起こせば凄い体験をしてしまったり騒がしい毎日だった気がする。
「・・・でもまぁ、楽しかったけどね!問題もあったけどもっ」
「ん?問題??色々あったとは思うが・・・他にも何か嫌な事でもあったのか?」
若干含み気味にナス子が口を開くと、その含み口に反応し、グラサンをかけたカラ松がナス子を見る。
ナス子はギクリとしてそっぽを向いた。
一番バレたくないあの夜の一件にまた変な事を口走って疑われて追求されたら逃げられないと思い、カラ松から逃げるように慌てて一松とトド松の元へと走って行った。