第36章 危険な香りの温泉旅行 今夜は最高?
「じゃあ、私と一松で話してく?トド松は多分怖い話とか嫌いだし知らないだろうからいいとして……」
「姉さん、ぼくがこういうの苦手ってわかってるのに何でこんな話しようとするの!」
トド松の反論も最もだが、ナス子は一向に話を止める様子などない、今度はチョロ松、カラ松、おそ松を順々に見ていく。
「俺か、ご期待に備え、最高のホラー話を披露してやろうじゃないかぁ、ナス子、怖くなったらいつでも抱き着いてくれてもいいんだぜぇ、ん~?」
「カラ松の怖い話ぃ~?全然怖くなさそうなんだけどぉ?」
「そういうおそ松はどうなのさ」
「俺ぇ??んー……んー……んー……あ!……ない!」
一瞬のあ!に期待したナス子だが、結局は何もなかったようで、よく芸人のやるコントにあるコケるような動作でその場に崩れ落ちる。
「ねぇのかよ!今の含みなんだったのー?!」
そしてお決まりのようにチョロ松が突っ込む。
チョロ松も自分の怪談話を考えているようだ。目を瞑って思い出そうとしている。
「実体験とかはないけど人から聞くとかはあるよね、けどあんまり興味ないし覚えてるかと言われるとわざわざそういうの覚えてても別に僕の人生には関係ないしどうしても勝手に頭から消えてっちゃうよね、こういうのは」
「長い!!つまりないって事ね??」
「うん、ない」
結局、この場の5人は聞き役。
そして一松とカラ松、ナス子は話し手となり怪談話を進めていく事になった。
本当は一松にも報復したいナス子だが、一松を怪談話で怖がらせるのは無理であろうと思っているのであきらめた。
というより報復以上にとにかく怖い話がしたくて聞きたくて仕方がないのである。
結局が自分が楽しみたい!!そこ大事!