第36章 危険な香りの温泉旅行 今夜は最高?
そして今度は隣のカラ松の掛け布団の上にドスっと重力をかけて座り込む。
「ぐほぉっ……し、シスター一体何を……!眠れないなら、俺が子守り歌でも」
「トッティー、起きて!!!!」
カラ松が言うが早いかナス子はすぐ隣のトド松に絡みに行く。
トド松はまだ完全に眠る様子ではなかったようで、スマホを布団に隠し何か動画を見ていた。
不用心な押えのない掛布団を容赦なくめくる。
「うわっ、寒━━━━━!姉さん何すんのさぁ!僕風邪引いちゃうよ~」
「十四……寝るの早っ!!起きろー、起きろ十四松!!十四まぁーつ!」
トド松を起こすと、次に十四松の元へと向かう。
既に眠ってしまっていた十四松を必死に大声で起こす。
何度もガクガクと体を揺さぶるとパッチリと目が開いた。
「あ!姉さんもう朝?おはようございマ」
「いや、朝になるには早すぎるでしょ十四松、それに今寝たばっかだろ?!なんだよナス子、煩いんだけど何がしたい訳?」
最後は一松とばかりに上に跨り一松の胸倉を掴んで寝かさないよう体を大きく揺さぶっているナス子はチョロ松の問いかけに満面の笑みで答える。
「旅行中に話す王道話と言えばもう一個あるでしょ?」
「なんだそれぇ?なんかあったけ~?」
結局起こされてしまったおそ松も、中心に置かれたスマホに目を移し、枕に肘をつくと楽しそうに笑うナス子に顔を向けた。
「ザ・怪談~!!!」