第36章 危険な香りの温泉旅行 今夜は最高?
ナス子の発言に動揺する松達であるが、ナス子の表情を見るに自分達の期待しているものではないような気がした。
それ以上に、この表情は何かを企んでいるなと勘づき、全員がナス子を無視し布団を被る。
「「「「「「おやすみさな~い」」」」」」
「えぇ?!ちょっとアンタら!夜はまだまだこれからでしょう、起きようよ!遊ぼうよ!!今日最終日の夜だよぉ?お姉ちゃんに構ってよぉ」
まるでおそ松のような発言だが、それにナス子は気づかず他の兄弟達の布団を引っぺがそうとしたり、体を揺すったりと必死である。
「ねー、おそ松!あんた長男なんだし皆に言ってよーー!もっと遊ぼうって!!」
「あ~?メンドイ。それに今のお前ぜっっったいロクな事考えてないだろ??じゃなきゃこんなしつこくしてくる事なんてないもんなぁ」
ナス子の執拗な懇願に目を細め口を半分までしか開かず長男は呆れ顔のまま相手の懇願を吐き捨てる。
「そ、そんな事ないよぉ?それに最終日にすぐ寝ちゃったらつまらなくない?!最後にいい思い出作ろうよー!!」
ナス子は諦める事なくおそ松の布団を引っ張る。
それに抵抗するおそ松も布団を意地でも離さない。
「だーーっ、やめろってお前!そんなに遊んで欲しいなら俺と寝る?!こっち入って来いって、ほらぁ」
「人を眠れない幼児扱いするのやめてもらえますか?!」
「じゃあなんだよ~、メンド臭ぇなぁー……」
どうやらおそ松も皆も、温泉から出た後辺りから眠かったようで、所々で欠伸が聞こえナス子の動きを同じくメンドくさそうに探っていた。
「言ったでしょ、今夜は寝かさない!って。起きろ皆!!」