第35章 危険な香りの温泉旅行 松の本音
カラ松のドヤ顔発言をサラリと交わす。
しかし考えて見ると、ここ数年以上3次元に恋愛などしていない。
「いいよ、私は今のまま独り身で~」
「そんな事言ってるとお前、賞味期限切れるぞ~?」
おそ松がいつものようにナス子に溜息を返す。
ナス子が頭の中で過ぎる顔が残念ながらこの六つ子達だったが、やはりそんな事は言える訳もなく、俯くとパシャリパシャリと足を少し落ち着きなくバタつかせた。
「人をナマモノ扱いしないでくれる?!いや、ナマモノなんだけどさぁ」
「じゃあ、あれは?まだ聞いてなかったよね……答え」
この話に参加してくるとは驚いたとばかりに皆が一松に注目する。
「俺たち6人の中では……誰が一番いいかって話」
「ん?ん?!んんん?!!!」
前もどこかで言われた事がある気もするナス子だが……さすがにまた聞かれると思わなかった。どうしても誰が1番好かれているかが気になるらしい。
しかも自分が皆を意識していたと言う直後に。
またも忙しそうに全員の顔がナス子の元へと戻ると穴が開いてしまうのではないかと思う程無言で見つめられている。
「ちょ、ちょっと~やめないこの話……、皆も別に私の話とか興味ないでしょー?!普段口悪くて態度悪くてアホで、馬鹿でズボラでグータラ、そんでもって色気もなくって化粧一つ、おしゃれ一つしないような超超超残念なヤツだし!!」
焦りから早口で自分の欠点を捲し立てると、これまた予想外の言葉が予想外の人物から返ってくる。