第35章 危険な香りの温泉旅行 松の本音
「そうだよ、ナス子姉。また風邪引いても知らないよ~?」
「次に風邪を引いた時は俺がナス子の看病を引き受けよう!その際は、最高級の最上級の雪解け水をプレゼントするぜぇ~」
若干得意顔のカラ松が言う言葉に全員が死んだような目をしてカラ松を見ている。
しかしカラ松は全く気にしていない様子だ。
「あ~明日で旅行終わりかぁ!!」
ナス子が一つ溜息をつくと、手を包み込んでいてくれたままのおそ松がニヤニヤしてナス子の方を向いた。
「お前最初は寝てゲームしてゴロゴロして漫画読むとか言ってなかった~?」
「ハッ!今思えばそれ全然出来てないっ、やり直したい!!」
「明日家に帰ったって同じ事するだけでしょ、ナス子は」
チョロ松がナス子の明日を既に予想しているが、確かにナス子はそう考えていた。
「そう言えばさ~、さっきの続きなんだけどっ」
トド松が足湯に浸かり湯の中につけた足を遊ばせながらヒョイとナス子に顔を出す。なにをニヤニヤしているのか。
「ナス子姉って好きな人とかいるの?」
「は?」
先程の急な恋バナを蒸し返されて思わず目玉が飛び出そうになる。
折角チョロ松と足湯のお陰で回避出来たと思ったのに、この手の話題何度目だ?!
しかも何故自分限定で今聞いて来られたのかはわからないが、トド松の表情を見るに、楽しんでいそうにも見える。いや、これは絶対に楽しんでいる。
「えー、なんで私にだけ聞くの?!ズルくない!??」
しかし6人の視線はナス子に注がれる。
何で自分だけそんな恥ずかしい事を言わねばならないのかと焦るが、よくよく考えると選択肢は一つしかなかった。
「勿論、二次元一択!!!」
「またそれぇ?夢見すぎだっていつも言ってるだろ~?」
「って言われましてもぉ~現実になんて早々……ねぇ?」
「うっわー、ナス子姉が自分の事棚に上げてなんか言ってるよぉ~、イっタイなぁ~」
トド松のイタイと言う発言に敏感に反応するナス子、何故かカラ松が嬉しそうである。
「フフン、ナス子~何故いつもイタイと言われるのかはわからないがペアになったな……!なんなら俺に惚れてもいいんだぜぇ?」
「あ、そういうの結構です」
「ん~?」