第34章 【番外編】危険な香りの温泉旅行 ラッキー兄松
ナス子はそのままカラ松とチョロ松にもカメラを向けると、パシャリパシャリと撮影をし、それを保存した。
「…………プッ……くくっ……っみんな、服似合ってないね!」
思わずナス子が吹きだすと、三人は顔を見合わせる。
何が面白いのか、ナス子は声を出して笑い出すと、またパシャパシャと三人をカメラに撮り続ける。
「顔も体型もほぼ一緒なのに、なんでこんなに似合わないんだろ?あははっ、ヤバイ、ホントに面白いっ」
涙目になりながら笑うナス子に、床に転がっていたおそ松も立ち上がり、三人の顔に思わず笑みが漏れる。
「ところでさ、賭けって、どんな賭けをしてたの?」
「単純だよ。部屋に戻ってきたナス子が、僕らの入れ替わりにすぐ気づくか、気づかないか」
「おそ松はすぐ気付く方に、俺とチョロ松はすぐには気付かない方に賭けたというわけだ。おそ松がナス子に聞いた時に、ナス子は何もおかしなところはない、と言ったからな。賭けは俺達の勝ちということさ」
ナス子がそんな説明を受けていると、ギリギリ半径1m外にいるおそ松が頬を膨らませてブー垂れる。
「だって俺ナス子の彼氏だよぉ?!普通彼氏が誰かと入れ替わってたらすぐ気付くでしょっ、気付かないなんて夢にも思わないよねっ!」
「アンタそのネタいつまで引っ張るつもり?!誰が誰の彼氏だ!!」
「おそ松兄さん、しつこい男は嫌われるよ?」
「おそ松よ、クールじゃないぜぇ?」
その場にいる全員から軽蔑の眼差しを向けられるおそ松。