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【おそ松さん】松野家と年上幼馴染(R18)

第34章 【番外編】危険な香りの温泉旅行 ラッキー兄松



「ちょっとカラ松!!おそ松みたいなことしてないで返してって!!」

 ナス子がそう言いながらカラ松を見上げると、サングラスの中の瞳が楽しげに細められる。
 スマホを取り返そうとしていた為元々至近距離ではあるが、急に腕を背中に回され、思い切り身体を密着させられるナス子。
 
 突然のことに驚いて一瞬動きが止まるが、すぐに我に返り身体を押し返して相手を睨みつける。
 睨まれたカラ松は、そんなことは気にも留めない様子で腰に回した手はそのままに、じっとナス子を見つめたまま薄く笑みを浮かべている。

 サングラスの奥の瞳と、その表情をじっと睨んでいたナス子だが、ふと目を見開くと、一言ポツリと呟いた。

「……違う」

 小さな呟きが聞こえたのか、視線はナス子から離さぬままカラ松は首を少し横に倒す。
 カラ松に抱き寄せられている体勢のまま、隣にいるおそ松とチョロ松を見ると、なんともいえない表情でこちらを見ていた。

 視線をカラ松へと戻すと、ぐっと眉を寄せ、呆れたように深く溜め息をつくナス子。

「…………アンタ、カラ松じゃなくて、おそ松でしょ」

 確信しきった声でナス子がそう言うと、目の前のカラ松がニッっと笑ってサングラスを外す。

「……当ったりぃ~!」

 カラ松の服装……タンクトップに黒い革ジャン、ドクロのバックルにスキニージーンズを着たおそ松がそこにはいた。

「カラ松とチョロ松も、なにやってんの?一体……」

 そう言われると、おそ松の赤いパーカーを着たチョロ松と、チョロ松の緑色のチェックのYシャツとキャメル色の長ズボンを着たカラ松が、同時に深い溜め息をつく。
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