第33章 危険な香りの温泉旅行 王道パターン発動
「うるさいわトッティーがぁぁ!!余計なお世話だコルァ!!っあーもう頭きたっ!部屋に一人残しちゃ可哀想だから一緒にいてあげようなんて思った私が馬鹿だった!私も温泉行ってきちゃうんだから!!」
「ああ……えっと、なんなら一緒に行ってお色気ムンムン入浴(笑)がホントかどうか確かめてあげようか?別に見たくはないけど」
「ねぇ、今お前かっこ笑いってつけたろ、つけたな?絶対つけた!」
「え?気のせいだよぉ(笑)わかったわかった、早く行っておいでよぉ」
「言われんでも行くわー!!このっ……このっ……っ……トッティ!!!」
「いや、悪口になってないから……」
バターン!と、ドアが壊れるのではないかというくらいの勢いで部屋を出て行くナス子。
まったく普段通りのトド松の態度に緊張も忘れて、ドスドスした足取りで温泉へと向かうのであった。
結局、また部屋に一人きりになったトド松は、スマホの画面に写るカピバラの画像を見ながら、それに話しかけるように呟く。
「な~んかちょっと姉さんの様子がおかしい気がしたけど、やっぱ気のせいだよね、カピバラどころかマンモスみたいな足音立てて歩いて行ったし……」
そうして次の画像に写っていた自分とナス子のツーショットを見て笑い、また次の画像へと目を通していくのであった。