第33章 危険な香りの温泉旅行 王道パターン発動
時が止まってしまったかのような感覚に襲われていたナス子だが、続くおそ松の言葉に我を取り戻す。
「━━━━━な~んつってな!どう?今の俺ちょっとカッコよくなかったぁ?いいよぉ惚れても!あ、彼氏役頼むぐらいだからもうとっくに惚れてるか……だーはっはっはっは!!」
馬鹿みたいに笑ってそう言うおそ松に、毒気も抜かれた気がしてホッと溜息をつくと、同時に思わず笑みが零れる。
「━━━━━だから!そのネタいつまで引っ張るの?!そのネタもう腐ってるから!いい加減捨てなさいよ!!」
繋いだ手は未だそのままだが、先ほどまでのような嫌な汗はもうかかなかった。
結局本当に旅館を一周しただけで、二人は部屋へと戻っていったのであった。
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