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【おそ松さん】松野家と年上幼馴染(R18)

第33章 危険な香りの温泉旅行 王道パターン発動



「あはははは、恥ずかしいなぁやめてくれるぅ?ほぉんとーに」

「いでででででで」

「あははは、仲が良いなぁ。二人の邪魔しちゃ悪いし、俺は部屋に戻るよ。久しぶりに会えて嬉しかったよ、お幸せにな~」

 そう言って手を振り、ついぞ名前が思い出せなかった同級生と別れると、ジトリとおそ松を睨みつける。

「ちょっと……アンタが手ぇ離してくれないから誤解させたでしょ」

「別にいいじゃん、二度と会うこともないだろうしさぁ、なんでそんな気にすんだよ・・・あっ、もしかして、昔アイツのこと好きだったとか?!そうなの?!」

「━━━━━そう……な訳ないでしょ……名前すら思い出せないのに……」

「お前それはさすがに可哀想すぎるよぉ……?」

 先ほどの同級生に思わず少し同情したおそ松だったが、自分にはどうでもいいことなのですぐ気を取り直して、ナス子の手を引き歩き出す。

 一度引いた手汗が、またじんわりと出てくるのを感じた。
 ふと、前を向いたままのおそ松が歩みを止め、呟く。

「……誤解じゃなくてさ」

「え?」

「ホントに付き合っちゃう?」

 そう言って振り向き、おそ松はお馴染みの鼻の下を指で擦りながら笑う仕草をする。
 その見慣れた顔と動きに、何故か心臓がドキリと大きく高鳴った。

 自分は今どんな表情をしているのか。
 それを確かめる術はない。

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