• テキストサイズ

【おそ松さん】松野家と年上幼馴染(R18)

第33章 危険な香りの温泉旅行 王道パターン発動


 
 だが……

 昨晩の六つ子は、ナス子の知らない六つ子だった。
 家族や幼馴染……そのどの言葉も、当てはまらない。

 知らない━━━━━『男の人』だった。

 自分に好意を向けてくる男性に対して恐怖心があるナス子は、まだ鈍い痛みが治まらない頭で考える。

 自分も酔っていたからなのか、気心が知れている相手だからなのか……それとも……
 理由はハッキリとはしないが、一つだけ言えるのは、昨晩あんなことをされたにも関わらず、六つ子達に対して恐怖心はないということだった。

 六人全員にあんな行為を受けながらも、抵抗しきれなかった自分は、実は淫らな女だったのか……と、そんなことを思いショックを受ける。
 
 もういっそ記憶だけでなく、自分の存在自体を削除してもらいたい。

 今はスヤスヤと眠りについている全員と、あんな事になってしまい動悸が速くなる。
 二日酔いにはなっているものの、アルコールが抜けた為か、罪悪感なのか何なのかわからない、正体不明の感情に心がチクチクと痛む。

 そして、何故かあの忌々しい記憶の中からではなく、ふいに違う場面の、昨日のおそ松の言葉を思い出だした。

 『じゃあ、お前はこの中で誰が好きなんだよ?』

 勿論二次元一択!と、今までならサラリと応えていただろう。
 だが、今、同じ事を聞かれたら、自分は即答出来るだろうか。

 好きと言われれば、好きなのは間違いない。
 だが六人全員に感じ始めているこの感情が、果たして恋愛としてのそれなのか、ただの情なのか、そこがわからない。

 六人全員に・・・という時点で、恋愛感情ということはありえないのではないだろうか、と思うが、そこを真っ向から否定してしまうと、昨晩の行為が途端に罪深いものに感じてしまい、無意識にその考えを消去する。
/ 2205ページ  
スマホ、携帯も対応しています
当サイトの夢小説は、お手元のスマートフォンや携帯電話でも読むことが可能です。
アドレスはそのまま

http://dream-novel.jp

スマホ、携帯も対応しています!QRコード

©dream-novel.jp