第32章 【R18】危険な香りの温泉旅行 危険すぎる温泉旅行
「おいっ一松!長男様を差し置いて何先に手ぇ出してんだよ!つかナス子もなに?!スッゲー大人しいし!スッゲー素直だし!完全に受け入れちゃってるし!なんなの?!スッゲーエロくない!?ズルくない?!」
「フッ……なかなかインパクトのあるキスシーンだったぜ一松・・・」
キスシーン……?
そうか、今自分は、一松とキスをしていたのかと、上せた頭で考えていると、ふいに今まであった体温が身体から離れ、隙間風のようなものを感じると、今度は後ろから抱きしめられ、正面にも熱が戻ってくる。
「もー俺もする!絶対する!!決めたからね!!」
「おそ松……?」
振り返り、自分を背後から抱きしめている人物の名前を呼ぶ。
「騒ぐなおそ松、スマートじゃないぜぇ?」
「カラ松……?」
正面に座り、自分の太腿に片手を置いてこちらを見つめる人物の名前を呟く。
未だ状況が理解出来ないが、そもそも完全に酔いが回りのぼせ上がってしまっている頭では、考えることも至難の業だ。
背後から耳に唇を寄せられそれが軽く触れると、ゾワゾワと背筋が震える。
気持ち悪いような、くすぐったいような感覚に、首をすくめる。
「っ……おそ松……耳……くすぐったい」
「あれぇ?ナス子、耳弱いの?感じちゃう?へぇ~」
ボソボソとわざと耳に息を吹きかけるように囁かれ、思わず顔を顰めておそ松の顔を掌で押し返す。
「ヤメテって、言ってるでしょぉ~?!も~おそ松はいっつも、ひゃっ!」
おそ松の顔を手で押えていると、急に掌をべろりと舐められ、手を引っ込めようとするが、手首を掴まれてしまいそれは叶わなかった。
舌で指の間をなぞるように舐められ、指先に舌を絡められて軽く吸われる。
「お……おそ、松…………やめ、やめて……なに……?」