第32章 【R18】危険な香りの温泉旅行 危険すぎる温泉旅行
気が付くと、一松の顔が全て視界に入らないほど至近距離にあり、それはそのまま更に近づいて、唇を塞がれる。
何をされているかは理解出来たが、身体にはろくに力が入らず、さほど抵抗する気にもならない。大人しく一松の行動を受け入れ、目まで閉じる。
ナス子のそんな様子に、一松は掴んだ腕を自分の肩の上から背中に回させ、ナス子の腰を抱き寄せて身体を密着させる。
酸素を取り込もうとナス子の唇が開くと、ぬるりとした物が侵入してきて、未だ慣れない感覚に肩がビクリと小さく跳ねる。
そんなことはお構いなしに、舌を絡み取られ、時には舌先を吸われ、唾液が飲み込みきれず口端を伝う。
「んっ……は……ん……ぃ、ちま、つ……?」
「気持ちいい……?ナス子……」
「……んぅ……きもち、いぃ……?」
唇が触れたままそんな会話をすると、一松は再び食いつくようにナス子の唇を塞ぐ。
まるで外国の映画のキスシーンのように強く抱き合って、深いキスを繰り返す。
「はっ……ぁ……っ、いき、くるし、ぃ……」
「まだでしょ……もっと……」
「ん……」
「ハイっ、そこまで━━━━━━━!」
パァン!という大きな音と共に、おそ松の声が部屋に響く。
「十四松、卍固め」
「え?ヨイッショ━━━━━━━━!!!」
「ッア゛━━━━━━━━━!!話の流れっえぇぇぇえ!!!」
「え?」
突然の衝撃音と一連の流れに、一松とナス子はビックリして音がした方を向く。
腕はまだナス子の腰に回ったまま、ナス子の腕も一松の背中に回ったままである。