第29章 危険な香りの温泉旅行 たまにはお姉ちゃん?
「十四松、頭をバタバタ動かさないの!拭きにくいでしょっ」
「じっとしてると思い出しちゃいそうだから」
「思い……っ……永遠に眠らせてやろうか!」
「むぐーーーっ……う…ぐ…っ」
「あ、ごめんつい本気でタオル押し付けたわ」
「ボェーーーっ、ホントに死ぬかと思ったーーーー!!」
「いやだって十四松がまた不穏な事言いそうで」
会話はおいておき、すっかり元通りの会話に逆に自分は温泉でコイツと何をしたのだとコチラが思い出し赤くなってしまう。
……やはり十四松、天然も混ざり、侮れない。
「姉さん」
カラ松に聞こえないよう十四松がポソリと声を出した。
「ん、なに十四松?」
「さっき、気持ち良かったね。またしようよ」
「…………だからっ」
結局我慢出来ず口に出された言葉にナス子は反論しようとしたが、その唇を十四松が人差し指で止める。
フフと十四松が嬉しそうに笑う様は、子供がまた一緒に遊ぼうね!と言う感覚に少し似てる気がした。
十四松の髪を乾かしていると、後にその十四松の目もトロンとしてきた。
暫くして寝付いた事を確認して膝からおろす。
1番待っているカラ松に悪いかなと思いながらカラ松を見ると、カラ松は気にする事なく次の自分の順番を楽しみにしながら大事なイタサン・・・サングラスを鼻歌交じりに磨いていた。