第4章 平穏な日々に嵐はやってくる~一松~
「クソ松もイタイけどナス子も大概イタイよね」
「一緒にしないで?!」
人をあのナルシスト自己愛人間、イタさMAX男と一緒にされるのは心外だ。
カラ松、性格はいいけどね!
「とりあえず、だ、いちまっちゃん! 何でウチの中に侵入出来たのかお姉ちゃん聞きたいなぁ~君でもう3人目なんだよねぇ~多少慣れそうになってる自分が怖いよー」
怒りと言うより何故と言う疑問が強い、刺激しないようニコニコと一松に問う。
「・・・ん」
私に問われると一松はどっかの誰かと同じ動作をしてコタツの中に座ったまま、ポケットから出した鍵を手に持ちこちらに見えるようプラプラと揺らす。
?!
カッ・・・カラ松ーーカラ松カラ松カラ松ぅうう!!!
あんだけ念を押していたのに何スペアキーをほいほい渡してんだっ
あの時の私達の誓いはどこへ?!
あの優しい照れたような可愛い弟のような眼差しは?!!
やっぱり六つ子は六つ子なのか?!
大人になって変わってきたと思っていたのにぃ!
「なんで一松がそれ持ってんの?! それはカラ松に預けたハズだったんだけど?」
子猫が熱くなったのかコタツから出てきて一松の膝に座ると、その子の頭をなでながらも表情を歪めながらコチラを睨んできた。
「ふーん。やっぱクソ松のやつが言ってた事は本当だったのか…アイツ、お前から特別にその鍵を持っててもいいって任されたとか言って得意気に自慢してきたからね」
「自慢しちゃったんだ~」
そりゃ兄弟の反感買いますわ、バカな次男だ。
すまんカラ松、お前を疑った私が悪かった。
いないであろうカラ松に両手を合わせる。
「何言っても譲ろうとしないからとりあえず吊るしたけど、それでも鍵のありか吐かないから 身 ぐ る み 剥 が し て 見つけた・・・」
み、身ぐるみ剥がしただとぅ?
やめてっ、なんか妄想しちゃうお年頃だから!お姉ちゃんオタクだから!
「まさかあんな所に隠してたなんてね・・わからないわけだ」
「え、どこに隠してたの?!」
ヒヒっと悪い笑い声が聞こえると、どこに隠していたのかが気になる。
「・・・さぁ、どこだろうね? 知りたいの? 知らない方がナス子の為なんじゃない・・?」
うーわー、聞かない方が身の為と言うかカラ松の為でもある気がする。