第28章 【微エロ】 危険な香りの温泉旅行 十四松は神出鬼没 十四松
「痛ってー!!何も手ぇ出す事なくない?!俺頑張ったのにっ」
「それは感謝してるけど何で車の中で寝てると思ったら人の足触ったり胸触ろうとする訳ぇ?!寝てるからって油断してたわ、クソ馬鹿め!!」
「別にいいだろ、今日はお前の為に人肌脱いだんだからさぁ~ちょっとくらい触たって減るもんでもないし!」
「減る、私の精神力が削られる!!」
お約束のおそ松とナス子の口論を聞き流しながら部屋へと戻った7人。
おそ松はどうやら狸寝入りだったらしく、本気で寝こけていたナス子にセクハラし放題だった。
車の中なので誰も止める事も出来ず、カラ松も爆睡だった為、ナス子は自分で自分の身を守るしかなかった。
運転席の一松とチョロ松は文句を言うが、ナス子が力業でおそ松を引っぺがしていたのでまぁ大丈夫だろうとそのまま車を走らせていたのである。
「やっぱアンタって油断ならないわぁ、さっきちょっとカッコイイとか思った私が馬鹿だ―」
「ん?ん!?マジ?!!俺カッコ良かったの?!」
うーわー・・・面倒な事つい口走っちゃったよ、とナス子が目で言うも、もう遅い。
おそ松は目を輝かせてナス子の事を見る。
「ま!俺はいつもカッコイイんだけど?けどお前が言うのって珍しくね?!なぁ、どこがカッコイイか言えよぉ、ほらほらほら~ぁ」
「お、おそ松だけじゃないよ。今日は皆カッコ良かった」
照れ臭そうに口早に喋ると、ナス子は慌てるようにして自分の着替えの浴衣と下着を持つ。
「汗でべとべとだからお温泉入ってくる!!!」
「あ、逃げたよおそ松兄さん!折角ぼくらの事、ナス子姉がカッコイイとか言ってくれた貴重な体験だったのに、勿体なーいっ」
「フッ、恰好いい・・・か。わかっているじゃないかナス子、そうさ、俺はいついつでも恰好い男、カラ松さぁ」
「あぁ?だぁってろクソ松、殺すぞクソ松」
「はぁ・・・疲れたし・・・僕らも温泉入りに行こうか」
「んだな~」
おそ松が返事をすると、兄弟達も立ち上がり共に温泉へと向かうのであった。