第27章 危険な香りの温泉旅行 動物園に行きました カラ松
「それにしても汚いな、もっとこれ綺麗に巻けないの?こういう時のために救護の仕方とか習っておいた方がいいんじゃないの?」
「~~~~痛って!!!包帯巻くの強すぎるんだけど!?」
「アンタらは兄弟揃って普通に会話出来ないのかコラ。折角心配して手当てしてるのにさぁ~・・・ハァ、でも落ち着いてきたかも」
この3人の普段と変わらないノリがナス子の緊張を更に解すと、安心したかのように溜息をついた。
「んで、そっちはどうだった?」
おそ松がカラ松へと尋ねる。
「いや、こっちは見つからなかったな。今度はおそ松達が対峙した方へと行ってみるか・・・」
などと話していると、建物の入り口から今度は一松と十四松が入ってくる。
「猿ってさ、可愛くないよね・・・全く」
「ただいマーッスル!皆もう揃ってたんだぁ、猿いたよ!!」
見たところ一松は無傷のようだが、十四松は全身がボロボロになっていて、頬からも血をダラダラと流している。
多分兄弟の中では一番重症だ。
「えええぇ、十四松大丈夫?!」
すぐさま十四松に寄ると腕を引っ張り席へと座らせる。
「猿、見つけたには見つけたんだけど・・・こっちに突進してきて、そしたら十四松が俺を庇ってこんな事に」
一松が下を向き申し訳なさそうに説明をする。
そんな一松の頭をカラ松が撫でた。
「いや、逃げなかっただけでも偉いぞブラザ~!勇気のある一松・・・俺は、信じてたぜ!」
「あぁ?黙ってろクソ松」
そしてクソま、カラ松の頭をペシリと払いのけた。
多分だけどこれは照れ隠しなのではとナス子は思う。
「姉さーん、くすぐったいよ」
十四松の顔を手当てしていると、くすぐったそうに身じろぐ。
手当から逃げようとするも、ナス子はそれを逃がさない。
「だめ!こんなに血が出てるんだからっ、大人しくして!!」
「へーーーい」
素直に大人しくなった十四松に下手くそな処置をしていく。
「十四松・・・もしかして猿と戦ってきたんじゃ」
他のメンバー以上にボロボロの十四松を見ると、猿と激戦を広げていただろう事が目にわかる。