第27章 危険な香りの温泉旅行 動物園に行きました カラ松
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一度皆で決めた集合場所へ戻ると、おそ松とチョロ松が顔と体に怪我を作っている。
「だ━━━━━っ!!アイツむっかつく!ナス子よりムカツク!!」
「いっててー、まさかあそこまでとは思ってなかったよ・・・油断したな。結局また逃げられちゃったし・・・」
どうやら目的の猿を見つけ対峙したようだ。
おそ松は顔に引っかき傷を作り、チョロ松は服がボロボロだ。
そしてトド松は無傷である、さすがだ。
「あ、ナス子姉」
「ちょ、二人共大丈夫?!」
ナス子は席に座って文句を言う二人とトド松に歩みより、おそ松の顔を覗き込みながらその隣のチョロ松の肩に手を置く。
「お前より狂暴とかいくら動物園にいる猿でも外に出ると野生に戻るのなぁ?全く、お前親戚だろ?ちょっとくらい会話通じない訳ぇ??」
おそ松は相変わらずのおそ松である。
「あのねぇ、チンパンジーにカピバラ、それに日本猿にまで似てるって言われて私は一体なんて返せばいい訳ぇ?!」
水に濡らしたハンカチをおそ松の顔に当ててやっていたが、その手には力が入り、乱暴に顔をゴシゴシと擦る。
「イででででで!!ちょ、もっと優しく看病出来ないのかよぉ」
「いつも一言余計な事ばっか付け足してくるアンタが悪いんでしょ!」
「誰の為にこんなに俺らが頑張ってると思ってんだよ・・・ふんっ」
「まぁまぁ、二人共落ち着いて。今はこうして喧嘩してる場合じゃないよ、今だってナス子や僕ら以外にも猿に襲われてる人もいるかもしれないしさ」
「同感だブラザー、早くこの事態をなんとかしない事には平穏ズーは血の雨に変わるな・・・」
「いや、そこまでは僕言ってないけどね?!」
「ねぇねぇ、姉さん~僕の事も心配してよぉ、本当怖かったんだよぉ」
トド松も心配だが、無傷なようなので今度はチョロ松の腕についた傷をナス子が手当てする。
包帯を巻いてやっているが、勿論普段そんな女性のような手際の良さをナス子は持ち合わせていない・・・ガタガタである。