第27章 危険な香りの温泉旅行 動物園に行きました カラ松
猿に襲われた事を話し、ナス子には怪我がない事を伝えると、皆が安堵した表情になる。
「なるほど、さっきのアナウンスの猿がね。まさか女子トイレに出るなんてナス子も怖かったよね」
チョロ松が未だ心配そうに下を向いているナス子の顔を見ると、その横で十四松がナス子の頭を撫でている。
「姉さんビックリしたね」
「さすがのナス子でも猿とは戦って勝てなかったかぁ~、お前の日頃の暴力はこういう時に発揮すればいいだろ?」
「うっさい、おそ松・・・」
相変わらずのおそ松に心が安らいでくると、やっといつもの調子が少し戻ってくる。
「で、その猿の事なんだけどさ・・・」
「なに、一松?」
「・・・腰にしがみついたって言ったじゃん?何にも盗られてない?猿って人の物盗むって言うから」
「・・・・・・・え?」
一松に言われ早速自分のポケットを確認すると
「っ!!!ない!!!」
「え、やっぱり何か盗られたのナス子姉?!」
トド松が未だ心配そうに聞くと、ナス子はやっと立ち上がりポケットやバックの中を急いで確認するがその中に財布がない事に気づく。
「財布が、ない!!」
「えぇ?!それは一大事だよ!早く猿を探さないとっ」
「ここは手分けして探す?!あ、先に係員の人達にも伝えないと!」
「よしっ、お前らぁ!今から猿探しだー!!!」
そして全員が立ち上がると、松野家+ナス子の猿探しが開始した。
まだ恐怖しているナス子をここに残し、それぞれ二人づつに捜索をすると言うのだが、先程の事もあり一人にされるのが怖いナス子はカラ松と共に行動する事になった。
捜索メンバーはおそ松+チョロ松+トド松と一松+十四松、そしてカラ松+ナス子である。