第26章 危険な香りの温泉旅行 動物園に行きました 一松
猫と遊ぶ事に飽きた松達は、一塊になってソファで寛ぎだした。
欠伸をしたり寝そうになったり写真だけ撮ったり、猫に弄ばれてグッタリしていたりと・・・暇そうだ。
ナス子と一松は暫くの間、猫たちとのじゃれ合いを楽しんでいたのだが、ふいにナス子は猫だけではなく、一松の頭を撫でたくなる。
隣に一緒に屈む一松に手を伸ばすと、後ろからわしゃわしゃと相手の頭を撫でた。
「わ、なに?!びっくりしたんだけど・・・」
「え、別に。一松もほら、猫みたいだなっていつも思ってたからさー!ちょっと頭触りたくなったっていうか、なんだろうビックリされるとちょっと照れるね!あはは」
「・・・・・・お前さ、俺の事怖くないの?」
急にそんなことを言われ、ナス子はキョトンとして一松を見る。
「え?なんで?」
「なんでって・・・わかんない?」
「・・・んー、怖くはない・・・かなぁ?」
「はぁ?俺にあんな事されてるのに、よくそんな事言えるよね」
あんな事とは、先日のディープキスの件である。
すぐにそのことに思い当たったナス子は、一松の言葉を静止する。