第26章 危険な香りの温泉旅行 動物園に行きました 一松
「━━━━━━━━━━っ!!!じゃれたっ」
「・・・これくらい普通だけどね」
いつもミケ子とやっていた遊びだったハズなのに、どうして他の猫達だとダメなのだろうと疑問に思ったが一松がやっと連れてきてくれた猫を見てやっとナス子は猫に触れる事が出来た。
「うわー、うわー!!ありがとう一松、やっと猫が触れたよぉぉぉ、あったかい、フワフワ・・・っ」
「大袈裟じゃない?猫が可愛いのはわかるけどさ」
「だって私の周りだけ一匹も近寄って来てくれなかったんだもん」
猫の喉を撫でるとゴロゴロと喉を鳴らす音がしている。
心地よいという猫からの合図にナス子は心底安堵した。
「動物って人の感情に敏感だからさ・・・その緊張が伝わっちゃってるんだよナス子は」
「なるほど、だからいつも緊張しない相手のミケ子は私と遊んでくれるのか」
「・・・そういう事、良かったね触れて」
「うん!」
ナス子と一松がほのぼのしていると、部屋の中にバタバタと走る音が聞こえる。
「にゃー!!!!!!」
猫十四松だ。
突然の十四松の行動に猫達も怯えて隅に逃げて行ってしまった。
勿論、一松とナス子の所にいた猫も同様である。
「あー、猫ぉ・・・」
「まぁ、無理だろうね十四松が中にいちゃ猫も落ち着かないでしょ」
「そういうもんなの?十四松って動物っぽいから猫も平気そうなのにねぇ」
「あれは煩いからね」
「なるほど!!」
いつの間にか猫のように走りまわる十四松を二人で捉え、静かにさせると十四松も一緒におそ松達のソファへと座った。
「んー、猫と遊ぶのって難しいね一松兄さん」
「うちに来る野良とかエスパーニャンコは大丈夫だったんだから普通に接すればいいんだよ、お前も・・・」
「あはは、そっかー!」
一松レッスンを聞いているととても勉強になる気がした。
一松にとって猫は本当に特別な存在なんだなぁとナス子は再認識する。
再び怯えた猫達の元に二人で行くと、今度はゆっくりとナス子も一松の動きを真似てみる。
すると、逃げる事なく普通に猫達に触れる事が出来た。
さすがは一松大先生である。