第26章 危険な香りの温泉旅行 動物園に行きました 一松
そしてもう一人、説教モンスターことチョロ松もおそ松の隣でボケーっとしている。
「僕はおそ松兄さんと違って猫に興味ない訳じゃないけど、一松程猫が凄い好きって訳でもないし、戯れるより見てる方がいいなー」
「チョロ松の場合は猫じゃなくて・・・なんだっけ?えーっと・・・レイカ!!」
隣のおそ松が何かを思い出したかのようにチョロ松を指さす。
「だからレイカって誰だよ!にゃーちゃんだよっ!!何度言ったら覚えるんだよ、お前は・・・」
猫との触れ合い館に入っても、チョロ松の説教は留まるところを知らないらしい。
やっぱりいつもの光景じゃんこれ・・・とナス子は思ったが、今はあんなヤツらなどどうでもいいのだ。
それより何より猫ちゃん達とお近づきになりたいと思い、テーブルの上にあった猫じゃらしを発見するとそれを手にとりナス子は近くで寝ている猫に向かって振ってみた。
「・・・振り方がなってないね、ナス子」
「え?」
「貸して」
いつの間にか近くにいた一松がナス子の隣に来るとゆっくりした動きのまま屈み、まるで虫や動物が小まめに動くような動作を猫じゃらしで披露している。
「・・・おお、これが猫プロニストの技!」
「なにその猫プロニストって・・・よーしよし、おいで・・・」
猫じゃらしを巧に操り目の前で優雅に寛ぐ猫を誘い出す一松に、猫も興味を抱きだした。
ナス子が関心して静かに一松と猫を見ていると猫は起き上り、視線をキョロキョロと動かし始めた。
「ほーら、おいで・・・いい子だ」
緊張の瞬間だ、ナス子はゴクリと唾を飲む。
一松は全く緊張などしている様子はなく、いつもやっている作業のような動きで誘導している。
「あ、反応してる」
「うん。ケツ振ってるし、コレ狙ってるね・・・」
「なんかヤな言い方だなぁそれー、でもジャレてきそうだね」
猫じゃらしの動きを視界に完全に捉えると、猫は上半身の態勢を低くし、腰を高くする。
そして━━━━━━━━━━