第4章 平穏な日々に嵐はやってくる~一松~
「これ経験値上手いのかなぁ? 現実よりは役に立つのかも・・・?」
私が現実世界のニートどもを思い出し、コイツらに倒す価値があるのか考えていると私の言葉を理解したのか不機嫌にベシベシっと体当たりされる、
私の頭上にある緑色のバーだかメーターが瞬時に下がっていく。
「イタっ、ぽよぽよボディの癖に以外と攻撃イタイっ」
私の命を保つであろうHPバーが段々赤色へと変化し心なしか眩暈が・・・。
ダメだ、このままではこのザコスラ松どもにやられてしまう。
こんなゲームの序盤モンスターを倒せずに私は旅を始められるのか?!
意を決して短剣を振り下ろしヤツラを倒そうと試みる。
「覚悟しろクソニート童貞寄生モンスター!! わが剣とリアルでの日頃の恨み辛みを受けてみよー!」
っていうかさぁ……、妄想とちっがーーーーーーーーーう!
いくら異世界でも
・・・・・・・・こんな異世界嫌だぁあぁっ!!!
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ゴスっ
「・・・・・・・・っ痛」
「へぁ?!」
気づくと私のかざした拳に何かの手ごたえを感じる。
ハっと目を開けるといつもの見慣れた天井が見えた。
なぁんだ、夢だったのか・・・。
「あ~~~~~、良かった夢で」
両手で顔を覆って心底安心したように大きな安堵の溜息を漏らす。
「どんな夢見てたの?」
「いや、折角異世界に行けたんだけど六つ子がスライムで突然襲いかかってきてね」
「へぇ」
「それで倒そうとしたんだけど、倒す前に目が覚めて・・・」
「ふぅん」
「止めくらい刺しとけばよかったかな?」
今会話してる相手の事なども気にもせず聞かれた言葉に素直に答える。
「いっつもやられっぱなしだし、夢でくらいは仕返ししたって良かったよねぇ?!」
夢を思い出すともう少し寝ていれば良かったと少し後悔した。