第4章 平穏な日々に嵐はやってくる~一松~
「ひゅーーーーー♪ やったーぁあああああああ! 私の願いがやっと二次神様(二次元の神様)に届いたんだああああぁ♪ いやっほーい☆」
眠気も一気に吹っ飛び初期装備のような防御力皆無の服と攻撃力最低レベルであろう短剣を持ち草原を走りだす。
探すは可愛くてイケメンでチート的に強い勇者様御一行!
よーっし、いっぱい媚びるぞー、仲間にしてもらってあれやこれやな関係になるぞー☆
「レベル上げもガンガン行くぜ! 仲間作らなきゃだし、やってやろうじゃないのっ目指すは魔法職!」
爆裂的な大魔法をぶっ放せるようになってやるZE!!
テンション高く走り出すと、目の前にぴょんぴょん跳ねる赤いゼリー状のスライムらしきものが現れた。
おお、これは丁度いい、初期のレベル上げにはやっぱりコレだよね。
私はソロソロとモンスター?に近づいて行く。
「お主に恨みはないが我の修行のため、剣のサビになれ、許せ」
心なしか口調まで変わる自分。ノリノリである。
「うひょーパチンコ! おっぱい、おっぱい!」
何これ喋ってるし変な鳴き声してるーーーっ、キモー!殺意沸くー!!
「わぁ、でもこれスライム! スライムだよねっよくよく見ると胸の所に松のマークついてるような?」
現れた足元サイズのスライムの顔を見ると、特徴のあるアホ毛、ニヤついて人をおちょくるような表情。
知ってる長男を思い出させる。
「金!! 競馬っ うひょー」
おそ松スライムだっ、腹立つー、殺したい!
「えぇー、異世界に来てまで私の邪魔するのコイツ」
心底ガッカリした目を向けておそスラ・・・おそ松スライムを見る。
「フフーン♪イケてる、オレェ・・・!」
その隣からもまた意味不明な鳴き声と共にぽよぽよと自信あり気な青いスライムが出てきた。
また胸には松マーク、アホ毛、そして黒いサングラス。
「は?カラスラ?」
「ちょろりーん、だりーん☆ ミケッマンチカンアメショペルシャー♪」
そしてまたも木の陰から新しいスライムが出てきた。
今度は緑色、そして松マークに変な鳴き声。口はへの字だ。
「チョロ松スライム・・・チョロスラか」
私がビビリながら後ろに下がると三匹のスライムは独特な鳴き声、いやもう喋ってるよね、これ。ジリジリと私の体に攻めよってくる。