第25章 危険な香りの温泉旅行 動物園に行きました
「・・・ん?どっか出かけんの」
「ただいマーーーッスル!!」
やっと7人揃った所で行先を帰ってきた二人にも伝えると、十四松はあっさりとOK。
寧ろ行きたいと元気に手を挙げた。
一松はと言うと・・・その動物園の中には猫との触れ合い館という場所もあるらしく、すぐ様それに食いついた。
「猫、いるなら行く」
「動物園ー!!」
「フッ、動物園か・・・動物をも魅了してしまう俺が手に取るようにわかるぜ・・・ああ、俺はなんて罪深いギルトガ」
「じゃー、決まった所で出発しようか」
チョロ松がカラ松に被せて言葉を吐くと、パタリと『るろぶ』を閉じる。
「ん~?」
「あ、待って皆!!」
皆が一斉に立ち上がろうとしたが、ナス子の手をトド松が掴みそれを制する。
何事かとナス子はトド松をキョトリとして見たがトド松は怖いくらいにキラキラ笑顔でこちらに顔を向けてくる。
「ナス子姉、出発前にやる事があるでしょ~?ハイ、座って!!」
そしてトド松がナス子を無理やり座らせると、ナス子の鞄横に置いてあった化粧ポーチを取り出してくる。
それを見たナス子が焦り一歩後ろへと下がる。
休みの日に化粧をするだなんてそんな面倒臭い事を共用してくるトド松から逃げようとすると、チョロ松とおそ松にも捕まる。
「え、ヤダ!絶対ヤダ!!面倒臭い!休みの時くらい化粧とかしなくたっていいじゃんっ」
「何言ってるのナス子姉、休みだからこそ女らしさを磨かなきゃダメでしょ?折角この前の買い物で少しは変わろうとしたんだからさぁ、化粧くらいしていこうよ~」
「そうだぞナス子、これから俺たちはお前を連れて動物園に行くんだぞ?化粧しないお前なんてチンパンジーと同じなんだから、間違えて飼育員に檻に戻される事になっても知らないよぉ、俺は?」
「コイツ殺す、キルユーおそ松!」
「はいはい、諦めなよナス子。普段がダメなんだから旅行に来た時くらいはちょっとはマトモな女になったっていいんじゃないかな?」
トド松を中心におそ松、チョロ松に詰め寄られる。
本当、女ってのはどうしてこうも自分に磨きをかけなければならないのか。
化粧をする前にスキンケアして化粧して落としてスキケアして、とても面倒臭いとナス子は思う。