第25章 危険な香りの温泉旅行 動物園に行きました
「・・・・・・・・・・」
「・・・・・・・・・・・・はい、没収ぅ~!」
「あ、ちょっとおそ松!今いい所なのっ、話はちゃんと聞くから返してーーー!!!」
いつものようにスマホを取り上げられると、またも頭上へと持っていかれてしまい届かない。
「返して下さい、おそ松さまって言ってみぃ~?」
ニヤリと笑ってそう言われると、どこかの四男の顔が頭に浮かんできた。
確かに旅行に来てなおかつどこへ行こうかと話し合いをしている中ゲームに夢中になっていた自分が悪い。
「はーやーくぅ~~~、お・そ・ま・つ・さ・ま」
「━━━━━━━━━━くっ!カエシテクダサイ、カリバカレジェオソマツサマ」
「はーい、今日一日没収けって~い」
「えーーー!!!」
言うが早いか、おそ松は自分のポケットにナス子のスマホを突っ込む。
それを奪い返そうとするもヒラリヒラリと身軽に避けられてしまう。
「ちょっとは体重減った?ナス子ちゃぁ~ん」
そしてニヤリと悪い笑みである。
「体重の話すんな馬鹿松!!もー、ごめんって!ちゃんと一緒に考えるから私のスマホ返してってば!」
「さぁて、どうすっかな~」
すると、悪い笑みのままニヤニヤ笑うおそ松のポケットにさり気なく手を突っ込むカラ松が、中からスマホを取り上げると、ナス子にそれを渡した。
「おお、ありがとうカラ松!持つべきものは次男っ」
「おいおそ松、シスターを困らせるんじゃない。ただでさえクソな長男なんだ、たまにはしっかりしないとだろ?」
「お前こそ普段クソ次男の癖に何邪魔してんだよ、手ぇ出すなよな?」
折角の遊びを取られしまいおそ松が口を尖らせたが、無事にスマホを死守できたのでよしとする。