第25章 危険な香りの温泉旅行 動物園に行きました
部屋に帰ると早速私服のままナス子は寝転がりスマホを起動してゲームを始める。
一方チョロ松はこの近辺の『るろぶ』を持ってきていたらしく、どこか車で向かえそうな観光場所を探しているようだった。
それを隣からおそ松とトド松が覗き込んでいる。
今日こそはのんびりした一日にしたいと思うナス子は、わざとその様を見ないフリをしゲームを進めているが、案の定観光へ行く提案が口に開かれる。
「あ!ここいいじゃん、パチンコー!」
「おかしいでしょ、なんで『るろぶ』にパチンコなんて載ってるんだよ」
「それこそ普段僕らがやってる事と変わんないでしょおそ松兄さん!行くならここでしか行けない所にしようよー、自然がある所とかさ♪」
「俺は別に、猫が見れればどこでもいいけど・・・」
「猫なら旅館の外にもいたよ!」
「ま、まじか十四松!」
「うん、ボクさっき見たよ」
「行こう」
「あいあいっ」
「あ、お前らまだ行き先決めてないんだから待っ・・・あー、行っちゃったよ」
観光場所が決まらぬままに、一松と十四松は外にいると言う猫を見に部屋から走って出て行ってしまった。
一松の猫好きにはほんと適わないな・・・。
自分も猫を見たいとも思ったが、身動き一つ取りたくないナス子は未だゲームを続けている。
「ナス子、ナス子はどこか行きたい場所はあるか?お前が行きたいと言うのなら俺がどこへでも連れて行ってやるぞ?フフーン」
「二次元」
聞かれた言葉に即答しまたゲームに戻る。
カラ松ごめん、私は今やらなくてはいけないミッションをこなしているのだ!話は後で聞くから待っててね!!
という言葉を、本人に聞こえる訳でないのに頭で発言した。
「え、え?二次元???」
「はぁ、また言ってんのかぁお前、そんなどうしようもない事言ったってしょうがないだろ?」
おそ松がお決まりのポーズで耳をほじくりながら呆れた口調でそう言うが、ナス子からの返事はない。
「・・・・・・・・・」
「だいたい現実の方がいい男いっぱいいるんじゃねぇのぉ?ほら、近くに六人ばかし!!!」