第24章 危険な香りの温泉旅行 夜の海 チョロ松
黙っていろとは言われたがその言葉は聞き捨てならない。
おそ松はまぁ、あれだから仕方ないとしても、何故カラ松までそれに賛同しているのかわからなかった。
やはり童貞と言うのはそういうものなのだろうか・・・。
それともこれも酔っ払いの戯言として聞いておくべきなのかと迷う。
一方チョロ松はまた黙ってしまった。
言われた言葉に二の句も告げない様子である。
「はーい、提案!今日はナス子は俺とカラ松の間で寝る事ぉ」
「はあ━━━━━━━━━━?!」
おそ松の提案に、黙っていたチョロ松もすかさず声を上げる。
カラ松はまだ安心としても、おそ松の隣は一番危ない位置である。
いくら六つ子全員同じ部屋といえど何をしてくるのかわかったものではない。
「え、ヤダ」
「んだよナス子、チョロ松はよくて俺たちはダメってか?!ズルくね?!!!」
「いやいや、ズルイのは兄さん達でしょ!ぼくだってナス子姉と一緒に寝たいんだけど?!」
「あーい、ボクも一緒に寝たい!」
部屋に入る前に聞こえてきた誰がどこで寝るかの口論はこれの事だったのかとやっとナス子は理解する。
そして脳内を巡らせ、ナス子は一番安全であろう兄弟二人を提案する。
「はい、私にも提案がありまーす」
「十四松とトド松の隣で寝たいでーす、安眠したいでーす」
今の所、ナス子に手を出してきていない安全な位置にいるのは十四松とトド松だ。
この二人の間ならば自分はゆっくり眠れるだろうと憶測し、十四松とトド松を見る。
「わー、ほんとに?!やっぱぼくがいっちばん信頼できるよね、ナス子姉さんっ」
「キスしてもいいの?!」
「キスはダメ!!!」
「え~へこみぃ~」
なんだかこの流れは危ない気がしたが、既に手を出してきた他の兄弟達よりは安心出来ると信じ、ナス子はおそ松とカラ松を見た。
っていうか寝る所くらい自分で決めさせて欲しいと切に願う。