第24章 危険な香りの温泉旅行 夜の海 チョロ松
「海岸で抱き合って?そんで、キスをー」
「「わ━━━━━━━━━━っ!!!」」
言われる前にナス子とチョロ松は大声を上げて言葉を制しようとするも、おそ松の言葉は止まらない。
「しかもなが━━━━━━━━━━く、ちゅっちゅっちゅっちゅしてくれちゃってさぁ、見せつけてくれるねぇ~!」
「・・・・・・・・・・・」
チクチク責めてくるおそ松も怖いが、無言のカラ松も怖い。
何を考えているかわからないからこそ次にどんな言葉を出される事かと冷や冷やするナス子。
一方チョロ松は何か弁解の言葉を脳内で探しているようで、押し黙っている。
この二人があの現場を見たと言うのなら乱入して来なかったのが不思議だが、今はそれも聞かない方がいいだろう。
「いや、あれはその、姉と弟のじゃれ合いと言うか・・・僕は別にナス子の事をどう思ってるとかそういう感情でした訳じゃなくてね・・・」
「そうそう、あれは姉と弟の」
「ナス子は黙っていてくれ」
カラ松にサラリと発言を止められると、またナス子は口を閉ざし下を向く。
カラ松怖っっ!!!
「普通さぁ、姉と弟があんな濃厚なキッスとかするぅ?したとしても軽くチュってするくらいなんじゃねぇのぉ~?」
ずっと兄達の様子を伺い、空気として居座っていたトド松が驚いて顔を上げる。
続いて十四松も会話に混ざるように乱入してきた。
「え、チョロ松兄さん・・・ナス子姉とキスしたの?」
「マジっすか!セクロスしたの?!」
「キスだよ十四松兄さん、相手はシコ松兄さんだよ?さすがに夜の海と言う最っ高のシチュエーションがあったとしても、そんなすぐ童貞卒業できるようなタマじゃないでしょ~」
トド松と十四松の言葉を無視するようにカラ松が溜息交じりに言葉を続けた。
「おそ松の言う通りだチョロ松、あの時のエクセレントなお前はどこへ行ってしまったんだ」
「「俺達だって我慢してるっていうのに」」
「は?」
ナス子は意味がわからず口を開く。