第24章 危険な香りの温泉旅行 夜の海 チョロ松
「ん~、それ俺に聞いちゃう?ねぇ、カラ松ぅ??」
「そうだな、ここはちゃんとお前達二人から説明をしてもらわない事には納得の出来る話ではないぞ」
この二人は一体何を言っているんだろうとナス子とチョロ松は視線を合わせて首を傾げる。
「別に酔いを醒ます為に二人で海岸まで行っただけだけど?ナス子もかなり辛かったみたいだし、外の空気でも吸えばちょっとはよくなると思ったからね」
最終的には盛大にゲロったがな・・・とナス子は思ったが今の空気でこの言葉を口にする勇気など自分にはない。
チョロ松はと言うと、先程の事が嘘のように冷静に兄達に対応している。
「あー、違うんだよなぁ、俺らが聞きたいのはそこじゃないのよチョロ松ぅ~」
「ナス子、お前夜に一人で海に行ったな。何かあったらどうするつもりだったんだ?」
酒で絡んでいるようなおそ松とは違い、スラスラと正当な意見をイタくなく喋るカラ松。
酔ってるよね?アンタ酔ってるのになんでマトモ?!
だがしかし言われた事は至極当然なので、素直にカラ松に謝罪を述べる。
「ご、ごめん、カラ松・・・でもちゃんとチョロ松が後から来てくれたから大丈夫だったよ!」
「・・・何かあったら・・・と俺は言ったハズだ」
「ん?」
その言葉を聞いてナス子は首をまた傾げるが、チョロ松だけは顔を青ざめさせた。
六つ子だからこそ通じる何かがあるらしい。
「チョロシコ松ぅ~、俺らも探しに行ったんだよ~?」
「俺たち二人でお前たちがグロッキーになってるんじゃないかと思ってな、心配しておそ松と二人で海に行ったんだ」
この流れはまさかと思いチョロ松を気まずそうに見ると、やはりチョロ松は滝の汗を流し始めた。
「俺らさー、見ちゃったんだよねぇ」
「な、なにを・・・」
もう言いたい事に若干察しがついてきたナス子は最早顔をあげる事が出来ない。
そしてチョロ松もそれは同じ。
二人はもう蛇に睨まれたカエルのようになって固まった。