第24章 危険な香りの温泉旅行 夜の海 チョロ松
「「「「「「「いっただっきまーす!!!」」」」」」」
全員腹ペコで、目の前の豪華な食卓にニコニコだ。
ナス子以外の皆は日本酒を煽りながら美味い美味いと口々に騒ぎ立て、賑やかな食卓が広がる。
「や~、いいねぇ賑やかな食卓って!元気貰える感じ!!!煩いけど、煩いけどね!皆でご飯ってラーメン屋以来かなぁ」
ナス子が弟達の喜ぶ顔を幸せそうに見ていると、隣からニュルリと手が伸びて来てコップに飲み物を注がれる。
「まぁまぁ、とりあえず飲みなよ」
「うん、ありがとう一松!」
注がれた飲み物が何かはわかってなかったが、自分が酒が苦手だと知る相手がそれを勧めてくる事はないだろうと思い、それを一気に喉に流し込む。
「━━━━━━━━━━ぶっ!」
(熱い、喉焼ける!!!)
「え、一松これ・・・」
「ん・・・日本酒だけど?」
「えええぇ、なんか喉熱いと思ったら!ていうか匂いだけでもちょっとクラっと来るんですけど?!」
先ほどのマッサージの口論ですっかり喉が渇いていたナス子は何も疑う事なく確認する訳でもなく飲み込んでしまった。
度の強いアルコールがナス子の体に熱を与える。
「うぇー、き、気持ち悪くなりそうなんだけどっ」
「大丈夫だよ、ちゃんと介抱は俺達がするから」
「介抱するんじゃなくて、最初から飲ませないでよねー・・・うぐぅ」
そんなやりとりの中、もう早速酒の効果で出来上がっている他の兄弟達。
グルグルするナス子の頭の中で馬鹿な大笑い、はしゃぎ倒す声が響く。
う、煩い。
ちなみにお酌をしてきた一松も既に出来上がっていたらしい。
だからナス子に酒など勧めてきたのだろう。
ヤバイ・・・気持ち悪い、ご飯どころじゃないと思うとナス子は騒がしい六つ子達に気づかれる事なく部屋を出て行った。