第22章 危険な香りの温泉旅行 六つ子の攻撃
その言葉にナス子は一瞬十四松が何を言っているのかと理解できなかったが、暫く考え思い直して驚愕した。
普段自分がしている行動をただただやっていただけなのだが、日頃の習性とは恐ろしいものだ。
今日は浴衣を着ていたのだという事を思い出すと、ナス子は無言のまま慌てて足を正座へと揃えた。
「お前赤って、気合入りすぎじゃねー?!」
「成程、情熱の赤で勝負という事だな・・・、よし!カモンシスター、俺は素直にお前の愛を受け入れよう」
「どうしたナス子!お前今までそんな下着付けた事なかっただろ?!家にあるのはいつも地味で安価でダサくて色気の欠片もない残念なヤツで」
「なんでチョロ松まで私のダサ下着の件を知ってるワケー?!」
早速これだ。また矢継ぎ早に口を開く兄弟。
今日も上から順に喋ってる。お前らのそのルールは一体なんなの? それは一種の決められたパターンなの??
「うん、いいんじゃない?チラっとしか見えなかったけど似合ってるよ♪一緒に選んだ甲斐があったねー!」
「ちょっと、どゆ事ぉ?!トド松、ナス子と一緒に下着買いに行ったの?!お兄ちゃん聞いてないよぉ?」
「言ってないからね。姉さんがどうしてもって言うからぁ、僕と十四松兄さんが一緒にお店の中について行って選んであげたんだよ~ねぇ、十四松兄さん」
「お前・・・よくそんな店入れたな・・・」
「タッティー!!!!!!」
「ふんふん、なるほど。十四松は下着ショップでタッティしたと」
「よくその言葉だけでわかったな、チョロまぁつ!俺には全くわからなかったぞ」
やっと喋る順番が変わった。
とか思っている暇もなく、立ち上がった一松が何か言いたそうにナス子に寄って来ている、ナス子は断固として目を合わせない。
きっと今の一松はドSモードに違いない、だって他の兄弟達もさっきからガヤガヤと色々突っ込んでくるのだから・・・。
「・・・いいねその赤って色、女王様みたいで・・・それで調教されたら俺ちょっと嬉しいかも」
少し興奮した瞳で見つめられ、ニタリと笑っている。
だがしかし、予想に反してドMモードだ。
ナス子がふと六つ子を見ると、6人がまさかの股間を押えている事に気づく。