第22章 危険な香りの温泉旅行 六つ子の攻撃
「だ・か・らぁ!私はただゲームの時間を惜しんで、一刻も早く鍵が欲しくて入っただけで、アンタら松の下半身松なんて見たくなかった!!って何回言えばわかんの?!ていうかあそこは混浴でしょ?!何で私だけ加害者扱い?!・・・あぁっ、もうっ、誰か私を、殺して━━━━━━!!」
「うわっ、転がるなよ急に!邪魔だなっ、んで十四松も真似すんなっっ」
畳の上で転がると、一緒に十四松も真似を始めナス子と共に部屋の中を転がりだす。
スマホを床に置き両手で顔を覆い隠し、ナス子はチョロ松の文句など無視してただただ転がり続けた。
もうこのまま転がり続けてどっかに頭をぶつけて記憶なくなればいいのにというご都合主義な事を考えていると、ゴツンという衝撃と、いい音が鳴る。
「あいたー!!!」
「~~~~~~っ、いったぁ!十四松石頭!!」
「あははー、めんごめんごー」
あまりの衝撃にデコを押えていたナス子だったが、気づくと二人は至近距離で目と目を合わせていた。
ナス子は先ほど松共に閉じた心の扉の鍵を、十四松の笑顔に容易く開かれると、ニコリと笑みを相手に向けた。
「姉さん??」
「十四松・・・・・・・って、いや無理!!やっぱり忘れられるかボケぇ━━━━━!!!」
「ボェバァ━━━━━━ァァ!!!」
開かれた心の扉を再度クローズし、十四松の頭を掴むと自分のデコへと引き寄せ思い切り頭突きを食らわせる。
確かにさっき松共に言われた通り、どちらかといえば私に非がある・・・だからこれは八つ当たりだ。
今回の件に関しては十四松も、他の兄弟達も何も悪くない。
「えー?!逆切れ?!おっそろしいわお前!!」
「うっさいチョロ松!シコ松!ライジングチョロシコスキー!!」
「あ、言っちゃった。言っちゃったよコイツ、俺知ーらない」
「ナス子さぁ・・・ぶっちゃけ俺たちの<ピー>見たならそれでシコってるのも想像できるんじゃない・・・?ひひっ」
やっちまった。
チョロ松は凄ぇ顔で睨み倒して今にも説教モードに入りそうだし、シコとか言った事でまたさっきの光景を思い出してしまった挙句、一松にはそんな事を言われ、ナス子はついついチョロ松の股間に視線が行ってしまう。
もう変態だ。大変だ。