第22章 危険な香りの温泉旅行 六つ子の攻撃
早速到着後の温泉を済ませ、やっと部屋に戻る事が出来たナス子。
しかし既に目的のゲームの時間は過ぎており、残念な事に時間限定モンスターとナス子が出会える事はなかった。
「うぅ…最悪…モンスターは倒せないし、ある意味嫌な全裸モンスターを6匹も見ちゃったし…」
落胆し、畳の上でスマホを持ちながらふて寝を決め込み、恨めしそうにそう呟くと、予想していたように六つ子のナス子弄りが始まった。
「フフン、ナス子~俺たちのアレをモンスターなどと言うか、そんなに俺のは立派だったという事だな!参ったぜぇ、ハハ~ン」
「そこまで言ってないし思ってないし、寧ろ出会いたくもなかった・・・あんな”おそまつ”なもの」
「おそ松なものとか言わないでくれる?!ってかなんか俺だけ卑下されてるように聞こえるんだけど?!俺のだって立派よ?!もっかい見る?」
「間違えた、お粗末な物だった」
「結局言ってる事変わらないからね??!」
記憶を消せる薬があるのなら今すぐあの光景を消し去りたいと思うナス子だが、そんな都合のいい薬は存在しない。
壁に頭ぶをつけたら忘れられるかな、と考えながら喋る松達に無視を決め込む。
「言いたい事言ってるけど勝手に入って来たのお前だからね?僕らの方がココは被害者だからっ!痴女と間違われてもおかしくないんだからね!」
「そうそう・・・仮に裁判になったとしてもナス子が敗訴する確率の方が断然高いからね・・?」
「確かに!」
「いやー、でもビックリしたね!まさかナス子姉さんに覗きの趣味があったなんて・・・旅館に泊まってる間は気を付けないとっ、下手したらぼくらの童貞すら狙ってるかもしれないよ~!コワイなー」
スマホを片手にしたトド松が誤解を招くような言葉を口に出すと、さすがのナス子も無視を決め込んでいる訳にもいかず、起き上がり焦って大反論する。