第19章 危険な香りの温泉旅行
旅館の中に入ると、結構お年を召した女将さんが私達7人を迎えてくれた。
玄関には、松野様御一行と言う文字が木の看板に書かれている。
「本日は遠方よりお越し下さり、誠にありがとうございます」
深々とお辞儀をされて、私も皆も同じく頭を下げる。
木の看板を見ると、私達の名前しかかかれていない。
もしかして今日って貸し切り状態?!
大きさからして元々そんなに人がいっぱい泊まれそうな場所でもないだろうし・・・。
なにこれ天国じゃん!!!
「あれー?婆さん、他に客いねぇの?」
「えぇ、本日は松野様御一行のみのご宿泊となっております、どうぞごゆっくりお寛ぎ下さい」
おそ松の対応を見て、私は我慢出来ずおそ松の服を後ろから引っ張り耳打ちをする。
「(小声)ちょっとおそ松!女将さんに婆さんとか失礼でしょ?ちゃんとこういう時は女将さんって言わなきゃダメじゃんっ」
「(小声)えー、だって婆さんじゃん。もっと美人でスタイルよくておっぱい大きい若い女将さんが出てくると思ったのに~」
同じく私に向かってボソボソと返すおそ松。
全くコイツはいつもいつもそんな事ばっかり、そんな事言ってるから彼女一人も出来ないし童貞卒業も出来な・・・
そしてまた思い出す、私はおそ松にも怒っていたんだと。
もの凄い冷視線をおそ松に向け、他の兄弟の元へと私は走って行った。
「ちぇ、なんだよ。アイツ」