第19章 危険な香りの温泉旅行
「チョロ松、サンドイッチ今食べる?」
「あぁ、そうだね。今食べようかな」
助手席の役目、わかってますよ!
ご飯を与えればいいんだよね。
私はチョロ松のサンドイッチを袋から出すと、それをチョロ松の口に持って行った。
「ほらー、シコ助ぇ。餌だよー」
「誰だよ!?ていうか餌って言うな!人を動物みたいに・・・むぐっ」
チョロ松が口を開けた瞬間を見計らい口の中にサンドイッチを詰め込んだ。
うむ、私はちゃんとやっているぞ。
「うぐ・・・ぐっ、げほっ、げほっ!」
「あ、ごめんチョロ松!ほら飲み物!!」
「いきなり口の中に詰め込むヤツがあるか!死ぬかと思ったぁ・・・」
今度はストローをさした紙パックのお茶を口に持って行く。
赤ちゃんのお世話してるみたいでちょっと面白い。
「なにあれ、見せつけちゃってさー!僕だって運転くらいできるんだけど??チョロ松兄さん、今度は僕が運転変わろうか?」
私がチョロ松の世話を焼いていると、少し不貞腐れたトド松が後ろから声をかける。
トド松の運転、乗った事ないかも・・・・・・。
トド松って運転したら性格変わりそう、しかも悪い方向に・・・怖いからこのままチョロ松に任せよう、うん。
「いやぁ、大丈夫!チョロ松は出来る子だからねっ、ね!チョロ松!!」
「ん、いや何で僕が運転してんのにナス子に決められる訳?!別に運転なら誰でも・・・」
「いや、ここはチョロ松君の運転に乗って目的地に到着したいであります!丁寧で超安全な運転、凄いなぁ、偉いなぁ、チョロ松は!」
私が隣で敬礼しながら褒め称えると、チョロ松は照れ臭そうだが嬉しそうにチラリとコチラを見た。
「そ、そう?じゃあこのままでいいかなぁ~フフ」
チョロイ、チョロイからチョロ松。
やっと言えた。