第19章 危険な香りの温泉旅行
「ナス子、地図まだ?」
「あっ、ごめん忘れてた!」
そして私はまた地図とにらめっこする。
「・・・・・・・・・これは読めないヤツね」
パタリと私は地図を畳んだ。
「オイっ、努力する前から諦めるなダメ女子が!お前が運転しろって言うから俺が今運転してんだろーがぁ!!ア゛ァ゛?!ちょっとは協力しろよ!」
ヤバイ運転手がオラついてきた。
このままだと面倒な事になると思った私は素直に打ち明ける。
「チョロ松君、私は誰でしょう?」
「・・・は?何言ってんの?ナス子だろ」
「そう、私はナス子」
チョロ松は前を見たまま私の質問に答えていく。
「では・・・そのナス子は普段どんな人物でしょうか」
「・・・・・・・・・・・・・・・ハッ!!・・・お前まさか・・・っ」
私の問いかけの意味が何かを理解したのか、最悪そうな顔をしている。
だって、地図って難しいじゃん!今はケータイ、ナビの時代でしょ☆
と、言いつつも、私はスマホのナビを開かずゲームを続ける。
そして後ろを向くとトド松に呼びかけた。
「トド松ー、携帯ナビ出して~」
トド松もいつものようにスマホを弄ってはいたが、ゲームはやっていないようだ。
ここはチャンスだと思いトド松に助けを求める。
最初はスマホを手放すことに文句を言うトド松だったが・・・
「お願いトド松!この場で頼れるのは貴方(のスマホ)しかいないの・・・!だから、ね?!」
「え~・・・まぁ、頼られるのは悪い気しないケド・・・もうしょうがないなぁナス子は♪」
すっかり上機嫌になってくれたトド松がいとも簡単にスマホを貸してくれた。
うん、チョロいな。
よし、ナビるぜ・・・・・・・・・スマホのお姉さんが!