第19章 危険な香りの温泉旅行
「このナビも古すぎるんだよ。ほら、今だって僕ら山の中突っ込んでるし、どう見ても道路走ってないよこの画面」
「えぇー、ったく!せめてナビくらい更新してよぉ店員さーーーん!」
落胆して地図を開くと、困った事に・・・・・・
私は地図が読めないではないか。
そうだった、私馬鹿だったわ、忘れてた!アハハハ。
今どこ?どの道路走ってるの・・・?向きこっち?
「それにしてもあの出不精のナス子がねぇ、よく旅行なんてついてきたな~」
「旅行と、ちょっと外に出かけるじゃ面倒臭さが違うんです!」
口を尖らせて後ろに文句を言う。
私にいつも一番に悪態をついてくるのはだいたいおそ松だ。
さすがに今日はあんまり喧嘩したくないけどね、せっかくの温泉旅行だもん。
まだ許してないけど・・・!
「しかも今日はちゃーんと化粧して、服装もバッチリだもんね♪ナス子も頑張ったねぇー!」
「いや、これほぼトド松コーディネートだけどね?!他の服もっ」
「・・・・・・トド松、いつからナス子って呼んでたっけ?」
「え?やだなぁ、一松兄さん、ぼくだってたまにはそう呼んでる時だってあるよぉ~」
「へぇ~」
いつの間にかの弟からの呼び捨てにすかさず一松が反応しているが、そういえば最近は皆が私の事を呼び捨てで呼ぶ事がちょっと増えたような?
まぁ、でも決まった呼び方なんて決めてる訳じゃないし別に全然気にならないんだけどねぇ。