第18章 私は二度死にかける おそ松 一松
その瞬間、ナス子がもの凄いスピードで一松を蹴り飛ばした。
「・・・はっ、はぁ、はぁ・・・はぁ~~~‥‥・・・息出来たぁ~~~!」
一松の長いキスに脳内に酸素が上手く回らず息を荒くして床に手をつくと一松を見上げた後、睨みつけ叫んだ。
「首、首がぁぁぁあっ!!変な方に捻らないでくれる?!仕事に支障が出るから!痛いから!!」
またもおそ松にされた時と同じように手の甲でゴシゴシと唇を拭くナス子の姿に、一松は少し興奮した。
「いや、首よりも違う所の方にもっと意識向けて欲しいんだけど・・・?」
「・・・・・・・・・・・・!」
一松に言われ、つい今しがた自分がされた行為を思い出し、顔を真っ赤にするナス子。
「さいっっっっってい!あんたら兄弟ほんと最低!」
二人を睨みつけると、まるでおそ松は「俺はなんもしてないよ、今日は!」というような顔をしている。
そのおそ松を見てナス子の睨みはまたも一松に向けられる。
「い、一松だってなんでこんな事・・・っ、弟じゃん!」
「弟って言っても幼馴染でしょ・・・?で、どうだった?おそ松兄さんと、俺、どっちがよかったの」
「はぁ~~~~~~~~~???」
一松の発言におそ松、一松と交互に見ると、二人でナス子を真剣な顔で見返している。
そんな顔で見られても呆れ返るばかりで、呆れと怒り以外の感情など湧いてくるわけはない。